石橋湛山評論集

石橋湛山評論集~更正日本の針路

昭和20年8月25日号「社論」

言うまでもなく日本国民将来の戦争を望む者ではない。それどころか今後の日本は世界平和の戦士としてその全力を尽くさねばならぬ。ここにこそ更正日本の使命はあり、またかくてこそ偉大なる更正日本は建設されるであろう。しかし、原子爆弾の一例はいかなる針路を日本がとるにしても、その着眼の要点を示すものである。率直に言えば、従来の我が国には、この着眼が足りなかった。竹槍こそもっとも善き武器なりとする非科学的精神が瀰漫した。ここに戦争においても今回の不利を招いた根本原因があるが、平和の事業においても同様である。単に物質的意味でない非科学精神に徹底せよ。しからば即ちいかなる悪条件の下にも、更正日本の前途は洋々たるものあること必然だ。記して以て更正日本の門出を祝す辞となす次第である。

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